第2回オープンデータ活用推進説明会に参加して

7月20日、福岡県地域振興部情報政策課による「第2回オープンデータ活用推進説明会」が開催されました。説明会には福岡県下の自治体から多数の参加者が集まり、九州でオープンデータ推進の先頭を走る福岡市、久留米市からも事例紹介がありました。県全体でオープンデータを推進していく最初の一歩を無事に踏み出すことができたと思います。
説明会の中で私は「広域的なデータの必要性 〜利活用の事例と展望〜」というタイトルで少しお話をさせていただきました。官民データ活用推進基本法によって、都道府県は域内のオープンデータ推進をこれから進めていかなければなりません。しかし、福岡県では都道府県レベルに加えて、福岡市を中心とする福岡都市圏(17市町)や、久留米市が連携中枢都市を務める久留米広域連携中枢都市圏(4市2町)でも、すでに広域でのオープンデータ活用推進に取り組んでいます。
BODIKのミッションは、九州・山口圏内の「オープンデータ空白地域ゼロ」を実現することです。大都市だけでなく、小さな市町村でも、無理なく、広域で、オープンデータを始めることができるよう、オープンデータカタログサイト(ODCS)を無償で提供しています。
 

ODCSで構築した久留米市のオープンデータカタログサイト


 
さらに、内閣官房IT総合戦略室が開発したオープンデータをマップ上でビジュアライズする「ダッシュボード」をODCSに追加し、オープンデータパッケージとしてまとめて利用できるようにしました。オープンデータパッケージは、どなたでも利用できるよう、オープンソースとして公開する予定です。8月にはオープンデータパッケージを活用した久留米市連携中枢都市圏のオープンデータサイトが公開される予定です。
 

久留米市のダッシュボード、「校区別人口」で塗り分けたマップ上に「赤ちゃんの駅」をピンで重ね合わせたもの


 
九州・山口圏内の「オープンデータ空白地域ゼロ」を目指して、BODIKでは九州オープンデータ推進会議を定期的に開催しています。オープンデータとして公開するデータの標準化、データをオープンデータとして公開する際の現場における具体的な課題など、毎回内容の濃い議論が行われ、その結果を具体的な成果へと結びつける大変貴重な場となっています。オブザーバーとしての参加も可能ですので、興味のある自治体の方はこちらからお気軽にお問い合わせください
また、総務省はオープンデータの推進を検討している市町村に対して、総務省の費用負担によってアドバイザーを派遣できるよう、平成29年度も地域情報化アドバイザー制度を開始しました。オープンデータ推進に関することで何か困っていることがある、あるいはもっと詳しく知りたい場合などには、必要なサポートをアドバイザーから無償で受けることができます。私も地域情報化アドバイザーに登録されていますので、もし何か困ったことがあるようでしたら、ぜひご利用ください。
広域でのオープンデータ活用はすべてのステークホルダーにメリットがあり、効果を実感できる大きな可能性があります。今回の説明会の様子から考えると、多くの自治体の皆さんの協力によって、福岡県さらには九州において広域活用が実現される日が来るのは、それほど遠いことではないと思います。
 
「第2回オープンデータ活用推進説明会」講演資料

 
文責:東 富彦(ビッグデータ&オープンデータ・イニシアティブ九州)