福岡市繁華街人流データの可視化と分析(1)

はじめに

九州大学と九州先端科学技術研究所が共同で実施するAIカメラの実証実験により収集されたている人流データを一部試験的にオープンデータとして公開しています。こちらのブログ記事にて、これらの人流データを活用事例を紹介していきます。まず、オープンデータを公開しているBODIKのサイトは下記になります

福岡市繁華街の人流データ
https://data.bodik.jp/dataset/isit_peopleflow

こちらのサイトでは、2022年4月から収集している1ヶ月毎の1時間値の人流データとマスク検知データを公開しています。観測場所は4カ所(福博であい橋、清流公園(2台)、夢回廊橋(2台)、春吉橋)、6台のAIカメラのデータです。

人流データは、日時、年、月、日、時間帯(0-23)に続いて、カメラID、性別(男性=0,女性=1,不明=2)、入場数、退場数、年代別検知数(10代未満、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代以上)を集計しています。マスク検知データは、日時、時間帯、カメラID、性別情報に続いて、マスク有・無の判定数、判定不能数を集計しています。どちらのデータも、センサの停止等でデータの欠損がある場合は、2022年度のデータの中央値(カメラID、時間帯、平日・休日)で置換して、それがわかるように欠損フラグ(NaN)を1に設定しています。

可視化!

さっそく人流データを可視化していきましょう。Google Colaboratory上などで簡単に可視化できますが、詳細は別途とういことで、福博であい橋における2023年12月の各時間帯の入退場数を可視化したものです。であい橋を渡って中洲川端側に行くことを入場、その逆を退場としています

上の棒グラフが入場数、下に伸びる棒グラフが退場者数を表します。その他は、性別を判定できないものの、人として検知された人数を表します。今回のAIは「顔」が映る際に、年代・性別を推定しています。ここで取得された映像は分析後速削除されていますので、その他のことには利用していません(できません)。

もう少し技術的な解説をしておきます。退場者はほとんど顔がうつりませんので、今回のAIカメラでは、ほとんど性別年代を判定することができません。退場者でも、ときどき推定できているのは、振り向いた際や、後ろ向きに歩いている人がいる、などです。

今度は状況の解説をします。朝8時にピークがあるのは、出勤時に通過する人が多いからです。夕方17時以降、人出が増えていると思いますが、会社帰りの人たちに加えて、イルミネーションを楽しみに来ている方々が多くいるからです。これはイルミネーション期間中の11月~12月が顕著で、寒い屋外にも関わらず多くの方が訪問されています。特に、20代、30代の女性の訪問者が多いのも特徴です。そのことがわかるグラフを次に可視化します。

こちらは、推定できた年代・性別の着目して、可視化したものです。上に伸びる棒グラフは年代毎に積み上げた男性の訪問者数、下に伸びる棒グラフは年代毎に積み上げた女性の訪問者数になります。夜の町を楽しむ観光客の方が増えてきているのも一因かもしれません。

今回は簡単な可視化をしただけですが、次回以降長期的な観点での分析事例や人流予測などを紹介していきます。

高野