Fukuoka City WiFiの利用状況の可視化

今回は、福岡市のWiFiサービス「Fukuoka City Wi-Fi」の利用状況を可視化してみます。こちらは、まちの賑わい状況の指標としても使える貴重なデータで、2014年11月からオープンデータとして公開されています。

福岡市無料公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」

https://www.city.fukuoka.lg.jp/wi-fi/index.html

今回は、直近の2年間の平均の利用状況を「平日」と「休日」に分けて可視化してみます。まず、拠点名に「駅」を含む場所の状況を表示します。全部で39地点です。

横軸が時間帯(0時~23時)で、青い線が「平日」、オレンジの線が「休日」のWi-Fiの利用状況のグラフになります。ただ、拡大しないと、小さすぎて詳細がわからないですね。画像をクリックすると画像を拡大表示することができますが、ここで代表的な駅である「博多駅」の状況を切り出してみましょう。

この「博多駅」のように、どの「駅」も、通勤・通学と帰宅時のピークがあり、絶対数に違いはあれど、利用状況のグラフは同じような形をしています。特に、「千早駅」と「香椎駅」の相関が高かったです。隣の駅ですからね。

この利用状況は「認証回数」になりますので、ホームにいる利用者だけでなく、電車に乗っている方達も含まれていると思います。そのため、どの駅でも、「平日」の朝と夕方にピークが出てしまいますが、休日はこのピークが出ていません。乗降客数を考慮すると、駅の属性を考慮した深い分析も可能だと思います。

この中で、「福岡市観光案内所 博多駅総合案内所」の(WiFiの)利用状況を見てみます。

上の博多駅の利用状況と違って、だいぶ利用者数が少ないように思えます。「スマホで調べるより、観光案内所で実際に聞いてみよう!」と思う観光客の方は、まだ「FukuokaCity WiFi」の存在を知らなかったり、そもそもネットワークに繋げないのかもしれませんね。

次に、拠点名に「駅」を含まない場所を見ていきます。こちらは50カ所あり、相変わらず詳細は見にくいと思います。(クリックして拡大してください)

ここで興味深いのは、お互いが離れている場所であっても、訪問者の特性が似ていると思われる場合は、WiFiの利用状況に高い相関があります。例えば「区役所」は休日は閉庁することも有り、どの区役所も同じような利用状況です。また、動植物園、博物館、美術館などは非常に高い相関があります。新天町商店街と川端通商店街も高い相関があります。これは2年間の平均データの相関を見ているので、各拠点で、特別なイベントをしているときは、その限りではありません。動植物園は休日に夜営業をやることがあるので、そのピークを捉えていて面白いです。

残念ながら「Fukuoka City Wi-Fi」は今年度を最後に廃止されるようですが、ここまで約10年間のデータがあり、大変貴重な人流データだと思います。別途、公開しているAIカメラにもとづく人流データと連携した分析をすることで、高度なデータ予測などもできそうです。それはまた別の機会に報告します。

高野