Citymapperがスマートバスの試験運行を実施、ルート検索で集めたビッグデータを活用、最適ルート選択のレスポンシブ・バスを目指す

海外に行くことが多い方にはお馴染みのアプリ「Citymapper」が、5月9日と10日、ロンドンでスマートバスの運行試験を実施しました。市中心部にあるキングスリーチビルディングを発着点とするCMX1という特別な巡回ルートで、ブラックフライアーズ駅、王立裁判所、ランカスター・プレイス/サマーセット・ハウス、ウォータールー橋/サウスバンクなどを通ります。

CMX1 Popup Route, https://citymapper.com/london/cmbus/bus-cmx1


グリーンで統一されたバスには、現在の運行状況や次のバス停がディスプレイに表示され、ドライバー向けには運転管理のアプリが提供されます。座席ではUSBでスマホを充電することもできます。でもそれだけなら、それほど珍しくもありません。
Citymapperが本当にやりたいのは、最適なバスルートを作ることです。ルート検索アプリを通じて収集した膨大なデータを分析し、現在の公共交通機関ルートの非効率な部分を改善する最適なバスルートを作ろうとしています。そのためにCitymapperはSimcityというツールを開発しました。最終的にはさらに動的に最適なルート選択をするレスポンシブ・バスを目指しています。

Simcityによるバスルート作成, https://medium.com/@Citymapper/smartbus-7b6848241526


今回の試験運行は、実際にバスを街で運行することで、必要なノウハウを学ぶことが目的です。乗客からの反応を集めてバス車内をより快適にする方法も見つけようとしています。Citymapper本社近くで、巡回ルートによる試験運行を行ったことで、バス運行への本気度が感じられます。
Citymapperはロンドン交通局(TfL)とも良好な関係にあり、TfLのオープンデータをルート検索に活用しています。Citymapperも自分たちが集めたデータをオープンデータとして公開すると言っています。
赤いダブルデッカーと、緑のスマートバスが、ロンドンの街を走る姿を見られるのも、それほど先のことではなさそうです。
 
参考:

文責:東 富彦(ビッグデータ&オープンデータ・イニシアティブ九州)