イベント報告「生成AI×オープンデータ」熊本県と熊本学園大学ワークショップを実施
主催:熊本県 熊本学園大学 共催:アーバンデータチャレンジ2025実行委員会
2025年11月15日イベント
生成AI×オープンデータ データ活用で地域をもーっと楽しもう!
総務省地域情報化アドバイザーとして、牛島清豪氏とともにISITとしてもワークショップを実施しました。
参加者は大学生や行政職員、一般企業など20名弱のイベントでした。
ISITが担当した後半のワークショップ(アイデアソン)としては、目指したいウェルビーイング指標のひとつに向かってジブンゴトxオープンデータから考えられるアイデア作りについて、生成AIも使いながら参加者みんなで進めていきました。生成AIを使うとみな同じようなアイデアになりがちですが、一般的なアイデア創出にならないようなプロンプトの方法も学びながら、しかもデータの活用をジブンゴトと組み合わせて考えることで、参加した個々人もジブンゴトで楽しくデータ利活用を体験できたのではないかと思います。
また、全体を通して、グラフィックレコーディング(グラレコ)をCode for Fukuokaの德永美紗様にご対応いただきました。
主催より:熊本県の取り組み
開催にあたり、まず主催の熊本県と熊本学園大学の方からお話をいただきました。

第一部メインスピーチ「データが描く地域の未来」
(株)ローカルメディアラボ代表取締役:牛島清豪氏

参加者にはオープンデータをよく知らない学生さんや、データを提供する側の自治体職員さんはデータ利活用の経験も少ない方もおられましたが、分かりやすい内容で熱くお話していただきました。
市民参加とオープン化の重要性:
市民は行政サービスを「消費する」だけでなく、積極的に「関わっていく」ことが重要です。
具体的なデータ活用の価値:
佐賀市のまちづくり、活動記録のデジタル化・蓄積、将来的にAIが地域情報を提供する基盤づくり。坂県立図書館のデジタルアーカイブでの好影響があったお話。
生成AIと人間の役割:
課題の設定、仮説の構築、そして分析結果に地域の肌感覚や文脈を組み合わせることが重要。AIは壁打ち相手として活用し、政策提言は市民自体が主体的に行うこと。
まとめ(食材/料理とオープンデータ利活用):
重要なのは、流行りの調理器具(技術やツール)を買うことではなく、新鮮で使いやすい食材(データ)を調達し、誰に喜んでもらうかという物語(ストーリー)を構築すること。データは、人口減少社会において、産学官民(産業界、大学、官庁、市民)が連携し、社会の構造を効率化・利便性を高めるための不可欠な「材料素材」です。

(2)“私の好きなこと”から地域を考えよう!
公益財団法人 九州先端科学技術研究所(ISIT)上田健次

今回のワークショップとしては、ジブンゴトの中でデータ利活用を考える経験、アイデアのゴールとしては具体的なウェルビーイング指標の中から、自分が目指したい指標を選んでもらうこと、さらにアイデア作りに生成AIを使っても良いがありきたりなアイデアはなく、意外性のあるアイデア作りのためのプロンプトの方法、なども盛り込みました。
ワークショップの流れ:
自己紹介を兼ねた好きなこと紹介と、オープンデータカードを掛け合わせて、目指したいウェルビーイング指標につなげるアイデア作りのために生成AIを使って発散を行い、会場みんなでペアストーミングしながら個人アイデアをさらに固め、全員で投票、上位3アイデアでチームに分かれて、アイデアのブラッシュアップを行いました。

ブラッシュアップ(ひまわりシート):
投票で選ばれたアイデア3件について、それぞれチームに分かれてブラッシュアップシート(A1サイズのひまわりシート)を作成してもらいました。ひまわりの形にしたのは、そのアイデアにある根っこの思い、そのアイデアが育っていくために必要な要素、リスク要因、ひまわりが目指す目的(太陽)など、そのアイデアの実施ストーリーが分かりやすく配置できることと、そもそもデータの利活用は眉間にしわをよせてやるものではなく、楽しく利活用するんだよというメッセージの意味も含まれています。


グラフィックレコーディング(グラレコ)
グラレコを知っている職員さんや、初めて見る学生さんたちからも、グラレコ大好評でした。終盤のふりかえりでもメインスピーチからワークショップの流れについてのお話をいただいたり、このグラレコを前にして人が集まり会話がすすむ=明るくなる、何より図形の配置などで話の関係性が直感的に分かるなど、今日も多くのメリットがありました。ありがとうございました!

総評
ワークショップの発表のあとは、本日のメインスピーチの牛島清豪さんと名誉教授の境章先生から総評をいただきました。

記念の集合写真

うえだ

