実証 01

公共施設情報の広域横断検索

福岡市、久留米市、静岡市、大分県の4自治体を対象に、既存の施設予約システムを一切改修することなく、施設情報を横断的に検索できる環境を構築しました。

目的

自治体ごとに分断された施設予約システムを、既存システムを一切改修することなく横断的に検索可能とし、自治体の垣根を越えたシームレスな施設探索を実現できるかを検証すること。参加自治体に生じる負担をデータ利用の許可のみに抑えられるかどうかが、共同利用モデルの成否を分ける論点となります。

実証内容

独自開発のデータ収集エンジン「BODIK ODGWR(リアルタイム版)」を導入し、設定ファイルベースで4自治体の施設予約データを自動収集しました。収集したデータは国際標準NGSIに準拠した統一データモデルに整え、自治体ごとに異なる予約状況の表現を9種類の統一ステータスへ正規化。さらに生成AI(LLM)を用いて21種類の活動種目を自動タグ付けし、正確な緯度経度を付与することで地図上へのマッピングを実現しました。利用者へはWebビューア「FIWARE Facility Viewer」を通じて広域横断検索を提供しています。

図1 データ収集から可視化までの処理構成
各自治体の施設予約システム
福岡市 久留米市 静岡市 大分県
施設予約データ ▼
BODIK ODGWR(リアルタイム版)
① 自動データ収集設定ファイルベース ② ステータス正規化9種類の統一ステータスへ ③ AI(LLM)処理21種類の活動種目を自動タグ付け ④ 座標付与緯度経度を付与し地図へ
NGSI準拠の統一データモデル ▼
Webビューア「FIWARE Facility Viewer」 住民向けの広域横断検索

結果

約3か月の構築期間で、4自治体・213施設・未来30日分の約45万件以上の予約枠データの一元管理を達成しました。毎朝7時に自動収集を開始し、約24分で変換・統合・AI処理を経てFIWAREへのアップロードを完了する自動運用サイクルを確立しています。

これまで自治体ごとに分断されていた動的データ(予約状況)が国際標準モデルで統合されたことにより、住民が自治体の枠を越えてシームレスに施設を探索できる「広域住民体験」を創出しました。また、既存システムに手を加えない手法(ベンダーフリー)によるデータ連携が可能であるため、将来的な参加自治体の拡大や、観光・防災など他分野のオープンデータ利活用へ容易に展開できるモデルを確立できた点も大きな成果です。

参加自治体
4団体
連携施設
213施設
予約枠データ
約45万件
日次処理時間
約24分

今後の課題と展望

社会実装に向けては、日次バッチから高頻度なリアルタイム同期への最適化、参加自治体増加時の負荷分散、および相手先システムの仕様変更に柔軟に対応できる保守体制の構築が課題です。

スポーツ施設等は隣接自治体からの利用者も多いことから、実際の生活圏を共にする「近隣自治体単位」での統合需要が高い。— 久留米市からのフィードバック

この指摘を踏まえ、生活圏に即した広域展開が今後の方向性となります。

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