オープンデータで作る「データ料理」、食べることで課題を経験記憶に

オープン・ナレッジ・ジャパンの庄司さんは、オープンデータを野菜に例えた興味深い記事を書いてますが、今回ご紹介する「データ料理」は、オープンデータを料理で表現し、目に見える形にしようという新しい取り組みです。2人のデータ・ビジュアライゼーションの専門家が始めました。例えば、スイスにおけるエネルギー消費状況を「ピザ」で表現すると、こんな感じになります。

スイスにおけるエネルギー消費状況: http://data-cuisine.net/data-dishes/energy-mix/


このピザは、スイスで再生可能エネルギーの占める割合が15%であることを料理で表現しています。
「データ料理」を進めているのは、Data Cuisineというグループで、料理をデータを表現するメディアと捉え、各地で地域課題の解決に取り組む市民と、プロのシェフを招いてデータ料理を作るワークショップを開催してます。
「データ料理」がチャートやグラフに対して優れている点は、オープンデータが示す課題を、味、舌触り、温度などで表現することができることです。さらに、会議の参加者に対して、課題に関するオープンデータから作成した「データ料理」を食べてもらうことで、形式的な知識を経験記憶に変えることができるます。真っ黒くて苦いピザを食べた経験と、再生可能エネルギー推進策の議論が結びつき、参加者に深く記憶されるようになります。

ボストン湾における糞便性大腸菌の数: http://data-cuisine.net/data-dishes/a-million-new-friends/


これはボストン湾における100ミリリットルあたりの糞便性大腸菌の数をカクテルで表現したものです。夏も冬も、基準値を大きく超えています。もしこのカクテルを飲んだら、ボストン湾の問題を忘れることはできなくなりそうです。
「データ料理」のワークショップは、ヘルシンキ、バルセロナ、レーワルデン(オランダ)、バーゼル、ベルリン、ジャンブルー(ベルギー)、ボストン、プリシュティナ(コソボ)で開催されました。ワークショップで作成されたデータ料理の一覧も公開されています。
 
参考

文責:東 富彦(ビッグデータ&オープンデータ・イニシアティブ九州)